象の耳 歩み

第1章~17話:カウント・ダウン

さつま揚げ屋の店主との出会いから、ここから予想外の怒涛の急展開が始まりました。

人生を変えうるのは人との出会いなのではないか・・・?

と常日頃から思っているので、これも何かの縁だし・・・

とりあえず揚げ物の移動販売をする上で大変な事や、移動販売業をやる上での心得みたいな事でも聞いてみよ~ と思い翌日・・・

名刺をくださったさつま揚げ屋さんであり移動販売車の持ち主のKさんに、これも何かの縁!にする為に!思い切ってお礼を兼ねてメールしてみました。

翌日にシンプルな返事が来ました。『青山で近いうちにイタ飯屋を始めます。なので あの車、使わなくなります。』

な・・なに!?

車を使わない?って事は・・・買えって事か!?(はは~ん、だから接触してきたのか・・・?でも中古なら安く手に入れるチャンス・・・だが今はお金ないしな・・・)

相手の真意がまったくわからないがメールでのやりとりは誤解を招く恐れがある為、直接話をうかがおうと思い会ってくださるようにお願いをしてみました。・・・で、何回かのメールのやりとりの後・・・

2004年2月。
そのKさんが新しくOPENさせた青山の新しいお店へ会いに行きました。移動販売に関する質問事項を紙にまとめお会いするなり質問の嵐。

全てにさらりとお答えくださり疑問がつぎつぎと晴れて行き・・・そして、最後にKさんはこう言ったのです!

「とりあえず車を貸してあげるから、試しに一回やってみてから先の事考えたら?」

「お金はあとでいいしさ、どうせ駐車場で車を寝かせておくのももったいないしさ、イベント紹介するから試しにやってみなよ。」

「車買って失敗したら大変でしょ?」と、その方はさらりと言っちゃったのです。

「た・・た・・た・・確かにそうなんですが・・・」

あまりにおいしい話に喜ぶべきか疑うべきなのか、悩みました・・・

はたして!!

この人は今までの苦労を知る神の使いなのか?それともまだまだ甘い!と更なる地獄を見せる為に現れた悪魔の使いなのか?

しかし、お金ないし罠であってもこれ以上無くなる物もないから、試しに車を借りてみて営業をしてみよう!その場でそう決めました。

で、数日後~
『4/25(日)東京都・八王子市みずき通り商店街で小さなお祭りがあるのだけど出店料は二千円だけだから、出てみませんか?』

とのメールがKさんから来ました。
この流れには乗るべきだ!
え~い、やってしまえ!

やるべき事は山程あるが、そのお祭りに出店する事を勢い?で決めてしまいました。そのお祭りの日まで残り約一ヶ月半!

・まず象の耳が当たった事を想定しパクられない為に何かの権利を取得せねば!
・メニューってか味つけの決定!
・友人知人に試食してもらい感想を聞こう
・車の装飾も必要だろうな
・看板とかも作らなきゃ
・材料の仕入れはどうしよう
・たくさん生地をこねる必要があるから今までの道具ではダメだから書い足さなきゃ
・値段もちゃんと決めよう
・メニュー表も必要だよな
そして起業を想定すると
・名刺ってやっぱり必要なんだろな・・・等、他にもたくさん!!

やんなきゃいけない事多すぎ!!当時やってたバンドもライブ&曲作りで忙しかったのですが、どっちも両立させなければ!と誓っていました。

そもそもはこれからもバンド活動を続ける為に、自由な時間を作る為の移動販売業の起業な訳ですからメインはあくまでもバンド活動です。
象の耳はバンド活動の為の生活費を稼ぐ為の手段。なのでバンドでメジャーデビューして生活に困らなくなったら象の耳は辞めるつもりでした。

とは言え・・・未知の世界に対する不安な気持ち。

全てを独りでやらないといけない不安な気持ち。

しかも、象の耳を売ってる人は日本にはいないので何で象の耳を包めば良いんだ?
どうやって仕込みをすれば良いんだ?
営業するのにはどんな道具が必要なんだ?
看板とかはどんなのがいいんだ?
デザインとか印刷とか、どうすればいいんだ!?
などなどなど。考え始めるとキリがありませんでした。

象の耳を売るにあたり誰もこの食べ物を知らない訳ですから相談出来る人もいません。何を参考にして良いのかもわかりませんでした。

あ~~!!と考えれば考える程、不安になります。

しかも営業日が決まったにも関わらず、当時は笑ってしまう位に準備は何も出来ていませんでした。

間に合うのか?
いや、間に合わせないといけません!

でも、、本当にやれるのか・・・!?
いざそうなってみると、とんでもない不安に蝕まれている自分がいました・・・

つづく