象の耳 歩み

第2章~15話:最悪なる絶望

この頃、困った事があると食に詳しい15話にも登場したI氏に色々と相談させて頂いていたのですが、このI氏は象の耳の試作品ばかりを食べている自分によく美味しい物を差し入れて下さり、その美味しい物の中にあるメーカーのフランクフルトがありました。

で、家では食べる時間も無かった為、営業中に車内で食べるには揚げる機械しかないので(移動販売って店を空けられないので、ずっと車内にいないといけない訳ですよ。トイレ休憩を取るのも大変ですが、ご飯を食べるタイミングも難しい)
頂いたフランクフルトを揚げて食べるしか方法がなく、仕方なく揚げてみたら湯煎より焼くより美味い事が判明!

揚げフランク?自分で思いついたフレーズなのですが聞いた事のないフレーズである事にも気づく。
わかりやすい。端的に商品を説明している。
看板だけ代えれば揚げフランクも販売出来るかも!

でもインパクトのある商品名を考えたり、それに合わせて看板とか色々準備しなくちゃな、それはそれで大変だな~なんて考えつつ・・・

そしてそんな状況の中、バンドはメンバーチェンジがあり新布陣の中~体制を立て直しリセットする為に今までの楽曲を新メンバーで録音しなおして自主制作でフルアルバムを作ろう!という動きになりました。
過去に何枚か自主制作でミニアルバムは作って配布はしていたのですがフルアルバムを初めてでした。

曲の気に入らなかった部分や歌詞を作り直す良いチャンスです。
やらなきゃいけない事は山のようにありました。

ここは象の耳の話を書くとこなのでバンドの話は多くを割愛しその後を端的にまとめますと・・・

以前に左耳を壊した事を記載しましたが、それにより音がちゃんと拾えなくなっており(つまり伴奏がどの音階か理解出来ない)聞こえる音も発する音も正確ではなくなっており・・・つまりは若干ですが「音痴」になっていた訳です。

なので、影で音の調整の練習をずっとしていましたし、いずれ治せる自信があったのであまり気にしていなかったのですが・・・

その「やや音痴」がレコーディングしてる時に予想以上に顕著に現れてしまいました。
(レコーディングの撮り音には誤魔化しが効かないので)
しかも象の耳を始める前に比べ、自分ではそんなつもりはなかったのですがボイストレーニングにあてていた時間も知らず知らずのうちに減っており、当然声量も落ちており簡単に書くと歌の技術が落ちていたのです。

これはもう決定的な致命傷。

2005年春。
最終的にはメンバーに引導を渡された訳なのですが、そのバンドを抜ける事に。
まさか自分で集めたメンバー全員に首を切られるとは。

もう一回、新たにメンバーを集めてゼロから新しいバンドを組む気力はもう何処にも無く・・・

夢が崩壊する音が聞こえました。
当時、私の本業はあくまでもバンド。
象の耳はバンドでメジャーデビューするまでの食べる為の手段でしかなかった訳で。

えー泣きましたよ。
何の為に生きているのかすらわからなくなり~夜中、何日も独りで泣きました。
生きる希望がなくなりどうして良いのかもわからなくなりました。

とてつもない絶望を味わった時はとことんまで自分を落として、これ以上ないって位に落ちれば・・・
あとはなんとか這い上がれるって過去の失敗で学んでいたので・・・まあ数日で落ち着いたのですが、とことん落ち込みました。

しかし、いつまでもそうやって、うだうだしている訳にもいかず!
ある答えを自分の中で見つけました。

俺にはまだ象の耳があるじゃないか。
これ一本に絞ろう。
これに絞れと神様が言っているのだろう。
そう思う事にして腹をくくりました。

そう、この日がある意味、良くも悪くも?
私のバースデーだったのかもしれません。

つづく