象の耳 歩み

第2章~5話:CDが全国発売される。

そしてこの時期、バンド活動はうまくいきかけており渋谷にあるクラブというかライブハウスが事務所をたちあげ、タワーレコード系列と提携しミクスチャーロックのコンピレーションCD(1バンド1曲づつ入れて、15バンドで15曲みたいなCD。オムニバスCDとも言う)を作成するらしいという噂を聞きオーディションに応募。

見事にオーディションに合格し、自分のバンドの1曲がこのCDに入り日本中のタワーレコード、新星堂、TSUTAYA系列で販売される事に!

このアルバムを聞いたメジャー大手会社から契約の話が来て契約できれば念願のメジャーデビューとなる訳で。
夢が叶うまであともう少し!

空手をやっていた時は全国大会で優勝する、みたいな目標があったのですがそれも叶わず、(2年浪人したのですが)大学の部活に入っていた時も高校時代のライバルが各大学の空手道部の主将等になっていて、そしてみんな全日本に入っていく訳なのですが、ざっと数えても日本中に自分がどう頑張っても勝てそうにない強者が20~30人はいたので全日本に入っても1軍は絶対に無理でした。頂点には立てなかったのです。

当時は、K-1もまだなく実業団に入って空手を続けても怪我をしたら終わりですしお給料も決して良くありません。
先が見えたのと死ぬまでにちゃんとバンド活動をやってみたかったですし、一旦は諦めた夢の中の一つがメジャーデビューだったので、諦めるのはまだ早い!と実は自分がバンド活動を始めたのは25歳からでした。
(それまで遊びではやっていましたが・・・ボーカルスクールに通い始めたのは25歳から。27歳からバンドメンバーを集めて28歳で全員揃いました。)

約3年でCDデビューです。決して悪くはありません。

そしてこの話は全然もう象の耳とは関係ないのですが、、、私には好きなアーティスト、バンドが沢山います。
基本はmetallica等のスラッシュメタルやヘビーメタル、ミクスチャー、HIP-HOP、R&B、JAZZも実は大好きなのですが邦楽でも大好きなユニットがいました。

当時、テレビにも沢山出演してましたし、様々な番組の主題歌やエンディングテーマでも曲が使われておりました。
その女性ユニットの名は「KIX-S」。

アルバムを8枚だしており、最後に出た8枚目から活動している近況が無かったのでネットで調べていると活動を停止していたのですがHPにはBBSという掲示板があり、そこにはファンの方々がKIX-Sをどれだけ好きか、どのアルバムが好きか、どの曲が好きか、思い思いの事を書いていたのでそれを読んでみると・・・

最後のアルバムを好きだという人がいないのです。自分は最後のアルバムが一番「凄いし、行けるとこまで行ってしまった感すらあり、次・・・これ以上の作品を作れるのだろうか?」と心配する位に最高傑作なのに。

なので自分はそのBBSに「誰がなんと言おうと最後のアルバムが最高傑作だ。」と、理由等を思うがままに書き連ねました。
そして最後に匿名ではなく、自分の名前とメールアドレス、うちのバンドのHPのURLも記載し文句がある奴はかかってこい。位の勢いで書き込みました。

翌日、「安宅美春」という方からメールが来ました。
KIX-Sのギターの方と同じ名前です。

まさか、誰かのいたずらだろう・・・そう思ったのですが、内容は最後のアルバムを褒めて下さってありがとう、あれ以上はもう出来ない位に搾り出して作ったのに評判が良くなくてとても悲しく感じていた事、うちのHPを見て曲を聴いた事、かっこいいと感じた事、CD発売されるとの事でレコ発ライブに行って良いでしょうか、との事。

え!?

ご本人様が来るの??
まさか。

そう思い、当時このメールは誰かのいたずらだろうと思ったのですが一応、可能性的に無い訳ではないので返事は出しました。

そして上記に書いたコンピレーションCDのレコ発LIVEが渋谷のブエノス東京で行われました。
沢山の方が来て下さり本当に嬉しかったのですが、LIVE終わってフロアに出るとレコ発祝いのシャンパンを持って来てくださった安宅美春さんご本人様が本当にいるではないですか!!

まじか!!ご本人様だ!!

こうしてこの後、うちのバンドのイベントには安宅さんがKIX-Sを辞めた後に結成されたバンドでうちより前に何度も演奏して下さったり、KIX-Sが4人編成でK-SEEDと名前を変え再出発する時の1発目のライブでは、うちのバンドの前に演奏してKIX-Sの曲を何曲も演ってくれた時とかリハからお二人に会えた時とかもう完全に夢が叶った瞬間でした。

そしてそのうちの曲が入ったコンピレーションCDは週間インディーズチャートでは1位になったのですが翌週には陥落。
たいして話題にもならずうちのバンドにメジャーレーベルから声がかかる事はありませんでした・・・

でもここで落ち込むのはまだ早い。
こんなのざらの世界です。
次に向けて頑張ろう!
メジャーデビュー出来なかったので生活費を稼ぐ為に象の耳で頑張らなければ!

こうしてバンドと象の耳の二束の草鞋生活はもう少し続きました。
そう、もう少しで終わる事をこの時はまっったく予期していませんでした。

つづく