象の耳 歩み

第3章~9話:工場をつくろう!

ようやく物件が決まり契約が完了し、いよいよ鍵を渡してもらえる日が到来!

中に入っては何も無いがらんとした物件の中で、回りを見たり寝転がってみたり・・・様々な事を想像してニヤニヤがもう止まりません。

しかし契約が完了した時点で家賃が発生している為、いつまでもニヤニヤしている訳にもいきません。

メジャーで物件内の寸法を測り何度も何度も図面を引き、購入予定の機械類の寸法を調べては配置を考え、それを何度も何度も繰り返していくうちに道路沿いに1m×1.5m位のスペースが作れなくもない事に気づいてしまいまして。

ん!?・・・道路沿いの横幅80cmのガラスを外せば、対面式の販売スペースが作れるかも!?

なんて思いついてから更に楽しくなり!
テンション激上がりです。

ここに工場だけでなく路面販売専門の対面式店舗を作ろう!(たこ焼き屋さんみたいな感じ)と決めまして。
でも業者さんにお願いしたら絶対にお金が足りない・・・よし自作だ!

そっからまた図面を何度も引き、ホームセンターへ行っては様々な工具や金具類を見ては、この金具があれば折り畳み式のカウンターが作れるな・・・とか、
この金具をあそこに取り付ければシャッターを途中で固定する事ができるな・・・とか、
色んな事を考えては図面を引き想像し、必要な工具をリストアップしては購入、自作しないといけない物が多すぎる為、サンダーとかドリルとかの工具も購入。

<↑制作途中の対面式店舗>

予算内に収まるように機械類は極力中古で仕入れ、様々な業者から毎日機械が届き図面通りに配置してはニヤニヤし、
工場に粗方の機械が揃い・・・勿論、F社の機械Xも購入しました。(2章18話参照)

Fさんにすぐに連絡して、あの時の真夏の激闘が無駄にならなかった事や、Fさんのお陰でここまで来られた事など沢山お礼を伝えてこれだけは中古ではなく新品で直接購入しました!

全ての機械が揃ったので初めて新製法の象の耳が作れるようになった訳です。
あのF社でのテストキッチンで起きた奇跡以来、自分も食べるのは久々。

あの時美味しいと思った生地が作れなかったら全て終わりなので、急いで確認も含めて新しい象の耳を試作→成功→やっぱ全然美味しい!そして安堵。

でも、もっと美味しく出来ないか頭の隅で考えながら店舗を自作!
昼間はすぐにホームセンターへ行けるように朝から店舗作成、夜は生地の試作と改良、疲れたらその場にごろんと寝て目が覚めたらすぐに店づくり!

そして試作を繰り返し、遊びに来た友人や様子を見に来た方々に食べてもらって感想を聞いてはまた改良。

世界初の製法となるこのパン、自分とF社の二人の方以外は誰もまだ食べた事がない訳で・・・その新しい象の耳はみんなに大好評!

工場のシャッターもバンド時代のお客さんの中に絵が上手かった人がいたのでその子に絵を描いてもらい!(K松さんありがとう!)


<The proof of the” Zou-no-mimi” is in the eating>
訳:象の耳の味は食べてみるまでわからない。

本来はアメリカのことわざに「the proof of the pudding is in the eating」
訳:プリンの味は食べてみるまでわからない→日本のことわざで言うと「論より証拠」
というのがあったので「プリン」の部分を「象の耳」に代えた訳です。

女の子が象の耳を食べてるのですが、乗っているのが象さんなのか恐竜なのか・・・
よくわからない感じがまたよくて物凄くこの絵を気に入ってました。

店舗部分も横幅80cmの超極小・対面販売式の店舗が完成!

だいたい一か月後位には全部完成するかな・・・って辺りでOPEN日を決めて、手書きでOPENの告知文を書きシャッターに張り付け!

ここまで全てを一人でなんとかもってこれた!(とは言え、ガラス、ガス、電気の工事はさすがに業者さんに依頼しました)

OPEN日は6月15日水曜日に決定!!
それからスタッフも当時流行っていたmixiを使ってお金をかけずに集める事に成功!

商品名も「生・揚げパン 象の耳」から世界初の製法のパンな訳だから、わかりやすくそのまんま!
「世界初製法のパン 象の耳」に変更!
ずばんと良い響きだ。
覚えやすいし興味が沸くし、これだけで食べてみたいと思うはず!
(これは伝説の揚げフランクの販売で学んだ事、シンプルでわかりやすいのが一番!)

移動販売車も色を塗り直し、看板類も一部を作り直し!!
赤色をベースにし、かわいいと言ってもらえるように女子スタッフの意見を取り入れ改善!
看板類もちゃんと読んでもらえるように極力文字数を減らして見やすく!
(文字が多かったりごちゃごちゃしたものは見てもらえません)

↓の写真はOPEN日のものですが・・・

向かって左側の赤いシャッターは常に閉めっぱなし、
真ん中の絵のシャッターは出入口がここしかないので半開きにして下の開いてるところがスタッフ全員の出入り口、
右側の細いのが対面販売専門の店舗です!

普段はスタッフにキッチンカーで売りに行ってもらい自分は工場で生地製造と店番。

お店は基本無人でお客様には呼び鈴を押してもらい、呼び鈴が鳴ったら作業台をくぐって顔を出す感じ・・・って書いてもわかんないですよね・・・YouTubeに上がっている動画をご欄になって頂ければわかると思うのですが・・・(次の話でリンク貼ってあります)

そんな感じで全てが順調に進み・・・ってもOPEN日の一週間前位には全てが終わるように万全を期したつもりが色々ミスが浮かび、工場の修繕、機械の配置替え、新たに道具を作成、お店も使いやすく改装!

お客様が来た事を想定して様々な事をロールプレイング、キッチンカーのデビューの時みたいな地獄はみたくなかったのですが、やっぱりラスト数日は泊まり込みというか寝る暇無しの徹夜続きでしたが楽しいので気になりませんでした。(もう慣れてるし)

そしていよいよグランドOPEN日の6月15日12時OPENの5分前位にギリギリ準備が完了したのを覚えてます(笑)

移動販売車の平日デビュー戦は超暇で売上は2200円で泣きながら帰りました。

平日の初日なんてそんなもの、期待をしすぎると外れた時のダメージが大きいのでまったく期待をせず~
お客さんが一人でも来ればラッキー!くらいに思いながら閉じていたシャッターを中から開けて外を覗いてみると・・・

<つづく>