象の耳 歩み

第1話:運命の出会い

いきなり話は過去にさかのぼる事、随分前の2002年3月~

私は当時、バンド活動を本業としながらも
それだけでは生活が出来なかった為、
昼間(9時~17時)と夜(18時~2時)、
日に2つのアルバイトをしていました。

当時、私は29歳。30歳を目前に人生について少し悩んでいました。
バンドを続けるか、辞めるべきか。
でもCDを発売する事が出来、活動が軌道に乗っていない訳でもなく・・・

そんな微妙な時期に不景気のあおりを受け、
ほぼ同時に2つのアルバイトを辞めなければならなくなりました。

晴れて無職!退職金も失業保険も出ない無職です。
人生の中で無職になる機会なんて、そうそうあるものではありません。

無職という境遇に暗くなるのは簡単ですが、
いや、それじゃあダメだ!せっかく無職になったのだから!
と考えるようにしました。

昔からアメリカに一人旅をするのが夢の中の一つであった為、
こんなチャンス滅多にないかも!
と無職をいい事に、バンドを休んでアメリカへ一人で旅をする事にしました。

貯金など無い為、わずかなお金を握りしめ私は、
成田→ロス→ポートランド→NY→成田 のチケットを試行錯誤の上、
6万9千円で入手。
これらを一ヶ月で回るスケジュールを立て単身渡米。
ちなみに英語はかたことですが、なんとかなるだろうという
根拠の無い自信だけは当時なぜかありました。

LAでは友人宅とサンタモニカのユースホステル(1泊約2500円)無国籍6人部屋 に宿泊。
レンタカーを借り一人で観光へ。

しかし道を間違った事に気付かず直進し続け、
アウトレットモールに行くはずが着いた所は果てしなき荒野。

そこで小用をたそうとした私の目に飛びこんで来たのは・・・
「注意!ガラガラ蛇&毒蜘蛛!!」の看板が。。
当然、真っ青になりダッシュで逃走。

その夜、再び車で友人の手書きの地図のみを頼りに
現地で知り合った友人宅を目指しドライブ・・・
しかし・・・まったくとんでもない方向へ全速力で突き進んでしまい、
辿り着いたのは・・・真っ暗な埠頭でした。

真っ暗な埠頭なんて映画でしか観た事がないですし、
犯罪者が好きそうなシュチュエーションですよね・・・
公衆電話が10台位並んでいたのですが、なぜか全部壊れていて・・・
なんか怖いから帰ろうとしたら遠くで

ぱぁん!

なんていう銃声を聞いてしまい、
再び真っ青&脇汗びっしょりでダッシュで逃走。

しかし、再び道を大きく間違えサンディエゴ付近まで行ってしまい・・・
ガソリンを入れようと立ち寄ったガソリンスタンドの売店で
コーラを買おうとしたのですが・・・・

一周回っても入り口がなく!
パチンコの景品交換所のようになってる始末。
(つまり治安が悪い為に、店員とは外からマイクでガラス越しに会話。
引き出しからお金を入れ、品物と交換するシステム)

とんでもない所に来てしまったのでは・・・と思った瞬間に目の前で
肌が黒めの2人対メキシコ系の方々5人の喧嘩が始まり、
包丁のような大きさのナイフを突き出しているのを見て、
ガソリンを入れずに再び真っ青になり逃走。

帰るつもりがなぜかまた道を間違えたようで・・・
ガソリンが無くなりそうになり、仕方なく再び近くにあったガソリンスタンドへ。

そこで、2メートル近くある刺青ぎっしりの酔っ払い3人組にからまれ
命の危険を感じるも、よく話してみると道を迷った風な自分を案じて
心配して話しかけてきただけだった ・・・というような経験をして
(帰り道に、人はみかけで判断しちゃ駄目だ!と感動して、
鼻水ダラダラたらし泣きながら運転してました)

・・・ LAを発ちオレゴン州はポートランドへ。

ちなみにこの当時、
起業なんてまったく考えていませんでした。

ただの観光&数年ぶりに高校時代の友人に会うついでに、
ポートランドへ行きました。
しかしこのポートランドってとこは住むにはとても治安も良く
すばらしいとこなのかもしれないのですが、観光で行くには・・・

で、めぼしい観光地もないのか、
友人が苦し紛れに連れて行ってくれたのが
「サタデーマーケット」
という週末にだけ行われるフリーマーケットのようなイベントでした。
ここで!
このまったく何の期待もしてないこの地のお祭りで!

私は運命の出会いをしたのでした。

つづく