象の耳 歩み

第11話:ヤタイカー・クエスト

とにかくCさんが帰国する8月の試食会までに、
全ての準備を終わらせないといけなくなりました。

まず準備すべき事は?

1、象の耳の生地とメニューの完成。
2、移動販売車の手配。

1に関してはもうやるしかない!
問題は2です。

まず移動販売車ってどんな車なの!?
ネットで調べていくと移動販売車の専門店が見つかりました。
しかもそこは、うちから電車で1時間の距離!

まずは現物を見に行ってみよう。

すぐに電車賃をキャッシングしてその専門店へ行きました。
(この頃は本当に懐事情が厳しく・・・
光熱費も滞納につぐ滞納。
水道、電気、ガス、いつ停められてもおかしくない状態でしたし、
米のストックも底をつき、家の食料はゼロ。
象の耳の失敗作を食べて命を繋いでおりました。)

さて、その移動販売車・専門店に到着すると、
社長らしき方(Xさんとする)が早速話しかけてきました。

なのでこちらも近いうちに移動販売車で開業したい・・・
という話をしてみると、
丁寧にこちらの質問に全て答えてくださったのです!

こいつはいいやぁ

いかにも近いうちに車を買うんだけど今日は下見風~な客を装い、
車に関係なくても移動販売絡みの疑問を質問しまくってみました。

調子にのり、作る工程を見せて欲しいと言うと、
工場まで見せてくださったのです!

この工場では、要するに軽トラを改造して、
後ろに小屋を積むような感じで移動販売車を作ってる事がわかりました。

そして、カタログやら値段表やらの様々な資料をもらい
X社長に御礼を言って帰宅。

次に向かったのは・・・

以前に塗料の配達のバイトをしていた時の取引先の車の修理工場。
半年ぶりに・・・顔を出しました。
しかも訳あってクビになった会社の取引先。。

入り口に到着。
深呼吸をして半年前のように何事もなかったかのように、
工場のおっちゃん達に挨拶をしながら、
あっけにとられてるおっちゃん達に気付かぬふりをして事務所へ。

「お久しぶりで~す!!」

運よくD社長がいました。

『君は・・・確か・・・バンドやってて前に・・・』

「そうです!○○塗料店で配達やってた者です。覚えてますか?」

『そりゃ~覚えてるけど、これまたどうしたの?』

「いやいや~今、お時間ありますか?実はですね~」と、
今までの会社とはまったく関係のないこれまでの経緯を全て話し、

車を持ってくるから、
後ろに小屋を乗せて移動販売車に改造して欲しい!!

と無茶とは自分でも薄々は気付いているお願いを強烈にしてみました。
するとD社長は・・・

『あ~!おもしろそ~だね~、いいよ~いいよ~
極力安く~作ってあげるよ!!』

というお返事を頂けたのです!!
う~んなんか知らんが、ついてるぞ。
追い風を感じました。

たくさんお礼を伝え、細かい事は後日って事で帰宅。

次は中古車をいかに安く仕入れるか!?
が問題となるのですが・・・

後輩にバイク屋がいるので電話して聞いてみると・・・

中古車はオークションってのがあり、
中古車業者はみんなそのオークションで車を仕入れ、
それを店頭で売る事が判明!

後輩に頼んで、
オークションで優良な軽トラをひっぱってくれるようにお願いしてみました。

そうする事により原価で中古車が手に入るのです!!
軽トラなら相場で5~10万あれば手に入るかも!?との事!
お金が入った時点(融資か出資が得られた時点)で、
後輩に連絡すれば車をオークションで手に入る段取りを組む!

これで中古車は押さえられるかも!

さて、その後日~D社長から突然電話があり、、
車の事で呼び出されました。

嫌な予感が多少したのですが・・・

『実はね・・・職人さん達と相談したんだけど・・・』
と切り出された話を要約して書くと、

誰もそんな車を作った事がないから、
どんなのを作って良いかがわからない、らしいのです。

しかも、
図面とか、せめて様々な部品の写真とかがないと、
何をどうして良いのかすらも、さっぱりわからない
との事。

うむむ、なるほど・・・

しかし、専門店に頼むと予算内に収まらないので、
なんとしてでもここで作ってもらいコストを下げ、
100万円以内に収めなければいけないのですから。

って事は!
図面とか写真を手に入れるしかない!!

こうして私は、

こないだの移動販売車・専門店に忍びこみ、
車の部品の写真を隠し撮る事を
思いついたのでした。

つづく