象の耳 歩み

第15話:終わらぬ悪夢

こうして融資の話は無かった事になりました。

矢吹ジョーは最後にリングで真っ白になりましたが、
自分の真っ白さも相当なもんだったと思います。

漂白剤を使ったんじゃないかって位に。

この時点で他に融資をしてくれそうな人は周りにはおらず、諦めるしかないのか!?
自力でお金を貯めてやるしかないのか!?

その前に借金の返済が待ち受けてます・・・

しばらく力が抜けて何も出来なかったので、前述の日記のような生活を繰り返
し、ひたすらボケ~っと生活しておりました。

が!しかし!

2~3週間程そんな生活をしていたある日!!
何となく充電完了のサインを感じ、立ち上がる事が出来たのです!

そうだよ、働かなきゃ!!
働いて借金を返して、
お金を貯めて再びチャレンジしよう!!

と思えるようになれたのです!

ようやく動く気力が出てきたので、
まず自分が普段お世話になってる命の恩人でもあり、
自分が全面的に信頼しているI氏に今までの経緯と中断、延期の報告を。

I氏:「そうか、そうか・・・、じゃあさ~仕事紹介しよっか?
築地市場の知り合いのとこで人を丁度探してるんだけど、
どうかな?
ああいうとこで働くとモノを見る目が鍛えられるし、いいんじゃない?」

という涙の出る様な有難い話を頂けました!
即答で「是非ともよろしくお願いします!」

「じゃあさ~明日にでもその築地の人に聞いてみるよ。
明日、夕方にでも電話頂戴。」
という事になり、翌日の夕方に電話をしました。

「今日、築地のお兄ちゃんと連絡取れなかったから、
また明日の昼頃電話もらえるかな?」

実はこれが一週間毎日続きまして・・・

どうやら一人辞めそうな人がいるらしく、
その人が辞めたら翌日からでも働いて欲しい、
と言うのがあっちの内情らしいですが・・・

・・で、その人はいつ辞めるんでしょう?

それから、自分は入れそうでしょうか!?
みたいな電話を毎日する事になりました。

そして、答えは同じ「・・・まだみたい」

働かないと増えていく借金。
築地のバイトはいつ決まるかわからない上に、
決まったら翌日から働いて欲しいと言われていたので他のバイトも出来ず・・・
しかし、お金もないので何も出来ず、
ただ一日一回の確認電話のみの為に日々を過ごす事になりました。

そしてこれが毎日毎日毎日毎日毎日・・・繰り返されまして
とうとう1ヶ月が経過。

もう・・・・限界だ!
無理だ無理だ無理だ無理だ!

ちょっとこの状況は辛すぎました。
せっかく復活したにも関わらず・・・
見事に出鼻をくじかれた感もありましたが、

I氏も明らかに悪気はなく、
むしろ全面的な好意で動いてくださった訳で。
しかし、さすがにI氏もまずいと思われているのが、
毎日の電話で相当伝わってきてました。

そして02年10月の中旬。
働こう!働ける!と復活してから一ヶ月半後。

若干発狂。
意味もなく部屋の中で大声を出したくなったり。

この、ただ待ち続ける日々に限界を感じました。
もう無理だ。
諦めるのは大嫌いですが、限界を感じてしまいました。。

せっかくのお話なのですが、
I氏にこの築地のバイトのお話を断って自分でバイトを探そう!
そう決断しました。
日々膨れ上がる利子。

そしてキャッシングもカード5枚を全部、限度額まで使ってしまいました。

借金総額・約170万円。

普通に働いている方にはたいした額ではないかもしれませんが、
無職の人間にはとんでもない額でした。
新しいバイト先は、当時やっていたバンドのメンバーが働いてるところを紹介し
てもらう事で、
ようやく無職歴7ヶ月にピリオドが打たれました。

無職もお金が無いときつかったです。
毎日が夏休み!みたいにはいきません。

しかし、今思えば、
人生に一度位はこんな時間があっても良いのでは!?なんて思います。
ゆっくりと色んな事について考える事が出来ましたし、
何かを悟った気すらしました。

こうして、人生のロングバケーションが終了!

2002年11月。
新しい職場で猛烈に働き始めた自分がいました。

借金を返して!
移動販売車で営業を!
そして象の耳をいつか必ずやってやるんだ!

そう胸に誓って。
つづく