象の耳 歩み

第30話:寝耳に水。

そして話は訳あって少しさかのぼり、
奇跡的なキッチンカーで開業のちょっと後くらいに戻りまして・・・。

当時、私の本業はバンドであり象の耳は副業でした。
年齢的に働き口もあまりなく、自由がききそうだし、
象の耳は出来立てが一番だから持ち帰りの多い移動販売より、
フードコートで営業したかったのですが、
実績が無いと無理な為に移動販売車から始めた訳です。
お金もなかったし。(←これが一番かも。)

初めの一回目の営業まで借金を返しながら、
象の耳の試作を繰り返し~失敗作を食べて飢えをしのぎ、
日々~バンドの曲作り、練習、ライブ、
そして空いた日は全てバイトで休みは無し。
恐らく栄養面的にも肉体面的にも
当時、体調はあまり良い状態ではなかったのだと思われます。

ある日の事。
目が覚め、起き上がろうとすると
体が動かない・・・なんで??

布団が重くて持ち上げられない・・・なんじゃこりゃ??

熱も特に無し。
原因不明。。。

バイトを休み~ひたすら休養。
・・・数日寝たきりだったのですが、ろくに動けない・・・

そしてそんな状態の中、ライブの日が近づいて来たのですが体は一向に回復しない。
立ち上がるのがやっと・・・

しかしライブは休めない。
バンドのメンバーにも、仕事のせいで音楽がおろそかになったと思われたくはない。

お世話になっているお医者さんがいる病院へなんとか行き、
無理やり点滴を打ってもらい、ようやく体がなんとか動くように!

そして、あの日は忘れもしない高円寺のGEARというライブハウスでのライブ中でした。
爆音の渦の中で歌(?)っていたのですが、
ギターアンプの「ファン!!!」というハウリングの音と同時に
いきなり左耳に強烈な耳鳴りが!

そして耳の中に水が入ったような感じになってしまい・・・
打ち上げにも出ずまっすぐ帰宅し布団へ一直線。
すぐに治るだろうと思い特に何もせず翌日も再びダウン・・・耳鳴りも治らず・・・

更にその翌日、あまりに耳鳴りがうるさい為にこれはまずいかも・・・と思い耳鼻科へ。

すぐに病院へ来なかった事を怒られました。
そして色んな薬を沢山出され、2週間~耳栓をし無音の生活を命じられました。
薬も6時間の間隔ぴったりに飲めと言われ寝る時間も調整。

数日後~ようやく耳鳴りが止み、
水が入ったような感じも取れました!

治った!!!
私はヴォーカル担当だった為、耳を殺られるのは致命傷なのです。

まぁこんな事の後に、キッチンカーでの開業があった訳です。

そして話は戻り、
ダイエーでの営業が決まった数日後、
また再びあの高円寺のGEARでライブがありました。

耳を壊さないように、気をつけていたのですが・・・

ライブ中~爆音の渦に飲まれていると、
左のモニターからどでかいハウリングの音が出た瞬間、

またあの耳鳴りが!!

さすがに翌朝、急いで病院へ行ったのですが、
今度は治らないかもしれない、と言われまして。

再び薬を飲み、耳栓をして無音の生活を数日過ごしたのですが、
数日で耳鳴りと耳に水が入ったような症状消えたのですが・・・

左耳の音の聞こえ方が明らかに変なのです!

聞こえない訳ではないのですが、人の声が
ドキュメンタリー番組のスリガラスの向こう側の人みたいな
くぐもった声に聞こえてしまうのです・・・

再び病院へ行き、検査。
左耳だけ聴力が激減。
しかも高音はほとんど聞こえない。。。
右耳は正常。
つまり左耳と右耳で聞こえ方が異なるのです。

日常生活にはあまり支障は無いと言いますか・・・
会話の繋がりと口の動きでだいたいは相手が何を言っているのかわかるのですが・・・
しかし、歌を歌うには不便すぎる・・・
右耳と左耳で聞こえる音が異なる訳ですから。
どっちの音が正しいのかよくわからなくなってくるのです。

まぁこんな事がありつつも、
生きる為にはお金が必要な為、ある程度は体調がよくなってきたので休んでる暇もなく!
ダイエーの営業に向けて着々と準備を開始しました。

ちなみにこれを書いたのは、自分の不健康自慢がしたいのではなく、
後にこの出来事が私の人生に大きな爪あとを残す事になるからなのです・・・

(つづく)