何の収穫も得られずに屋台会場に戻ってきたのだが、
この日にはもう一つの希望があったのだ!
そう、今日は全6店舗をしきるオーナーが来るはずの日なのだ!!
日本の屋台やテキヤさんといえば、ヤク○さんの影がちらつく印象があるが・・・
ってこたぁ~アメリカも屋台と言えば・・・・マフィアかギャング?
今日、会えるはずの象の耳の総元締めはつまりは影の総帥。
もしかしたら象の耳の作り方を知る為に来た自分にとっては
師匠になるやもしれないお方なのだ・・・
マフィア・・・どんなお方なのだろうか・・・??
恐らく、家の周りを黒のスーツにサングラス、マシンガンをもった部下が囲い、
家ではバスローブを羽織り、膝の上にはシャム猫。
指には巨大な石のついた指輪をし、
ブランデーグラスを回しながらコニャクの香りを楽しみ、
机の上には鏡と大量の片栗粉。そしてもちろん口元には極太のシガー。
人を見下すような目で見て微笑みを浮かべた瞬間には
裏切り者をバットで殴り殺す・・・
まるでマーロン・ブランドかデ・ニーロかって感じの・・・これがマフィアだ。
こんな人に私は弟子入りするのだろうか?
私までマフィアになってしまうのか?
そんな事を考えながらも~
屋台で働く人間がもし昨日と違ったら、
何か情報を引き出せやしないかと企むが・・・どこも同じ人達だった。
昨日さんざん喰らいついたのであっちもこっちを覚えてるらしく~
「材料は何ですかね~?」
「卵は入ってるんでしょうかね~?」
と聞いてみても~答えはやはり、
『知らない』
の一点張り。
「今日ってオーナーさんが来るんですよね?何時位に来ますかね?」
『あそこにいるよ』
えっ!?
指をさす店員。もう師匠とご対面!?早すぎだよ!!
私は振り返った。
いったいどんな渋いマフィアが待ち受けてるのか・・・・???
しかも初マフィア!!
そして・・そこにいたのは・・・・・
ポメラニアンを抱えた、
推定年齢50歳位のしわくちゃで、
おまけに身長150cmくらいの
小さなおばちゃんだったのだ!!
うげっ!
「えっ!?あの人がオーナーなの?(ってかヨーダじゃん・・・)」
(ちなみにヨーダとはスターウォーズに出てきた小さいけどすごい宇宙人)
『そうだ。』
そうならば、行くしかない。近づいてみる。
「あの・・・・」
覚悟を決めてヨーダに話し掛けると、
ヨーダは、びくっ!!として振り返り私を見上げた。
「象の耳のオーナーさんでしょうか?」
『あ~・・・そうだけど・・。・・・なに?』
とっても怪訝そうだ。ヨーダのくせに態度だけはXLだ。
「どうしても、家で作って食べたいので象の耳の作り方を勉強しに来たんで・・・・」
その時!!
最後まで言い終えてもないのに
ポメラニアンを抱えてヨーダがテケテケと逃げ出したのだ!!
「待て!ヨーダ!!」
手を十字に広げ通せんぼをして周りこみ!
「これの作り方を勉強する為に日本からわざわざ来たんです!
お願いですから生地のレシピをご存知でしたら教えて下さい!!
それか、お金はいりませんからあなたのお店で働かせてくだ・・・」
またもや最後まで言い終える前に!
ヨーダは別の方角にテケテケと、ポメラニアンを抱えて逃げ出したのだ!!
また周りこもうとしたその時!!
ヨーダの手が、しっしっ!あっちへ行け!してるのだ。。
あまりのショックで呆然と立ち尽くす・・・・
ヨーダは人混みに紛れて姿をくらませてしまった。
最後の手がかりが消えてしまったのだ。
借金までして!!
象の耳の作り方を知る為にわざわざポートランドへ来たのに・・・・
3日目にして全ての可能性が消えてしまったのだ。
これからどうしろと言うのだ・・・・
つづく

