第1章~24話:決戦前夜
生地の改良にも成功し!
移動販売車も奇跡的にお借りする事が出来るようになり!
食品衛生の資格も無事取得!
よく問題となる営業許可証は車のオーナーさんが所持しているので問題なし!
(同じ揚げ物だからです。もちろんオーナーさんの許可も得ました)
あとは本番を迎えるのみ・・・
という状態でとうとう営業初日の5日前。
決戦の日、つまりデビュー戦は2004年4月25日。
車を貸してくださった方の紹介で、東京都八王子八日町・某商店街の小さなお祭りが決戦の地に決まりました。
無職になりアメリカへ一人旅をしたのが2002年3月25日。
そして 象の耳と出会い・・・紆余曲折を経てここまで辿り着いた訳ですが・・・ほぼ二年ぴったりでした。
ポートランドで象の耳を食べたあの日から数えて。
何か感嘆深いものがあったのだですが感傷に浸るにはまだ早すぎです。
とりあえずこの日にどれだけ売れるか?もしかしたら見向きもされないかもしれない・・・
だが日本初!を売り物にすれば珍しく感じて買ってくれる人がもしかしたらいるかもしれない!
とりあえずこの日に営業をする為には!
→この日までに準備を全部終わらせないといけません!
(当たり前ですが・・・)
お借りした車をまずは徹底的に掃除!
そして営業に向けて頭の中でシュミレーションを何度も繰り返し何が必要で何を用意すれば良いのか?を全てリストアップ!
一人で営業する訳ですから営業中に足りない物が出てきても買いに行けません。
ですので念には念をいれて準備とシュミレーションを繰り返しました。
車の掃除がなかなか大変で、OKが出せるレベルになるのに丸3日もかかり・・・
終わったのはなんと決戦の前々日でした。
そして~かっぱ橋、業務用の調理器具屋、中古用品屋、100円ショップとかあっちこっちへ行き全部揃ったのが前日の夜。
これで完璧!足りない物はなし!
あとは仕込みです!
どれだけ用意しようか?
そして値段は幾らにしようか?
高いと売れれば儲かりますが買ってもらえる確立は下がるかもしれないし、安いと買ってもらえる確立は上がりますが儲けが少なくなります。
しかし、お祭りというモノは人々の財布の紐が緩くなるものだろうし・・・
しかし、アメリカの象の耳は大きくて値段も適度な為に売れてましたが、あの大きさを日本でやったら女の人にはデカすぎるかもしれない・・・
なので、サイズを二種類用意する事にしました。
悩んでもわからないから大きいのを400円!小さいのを300円!にとりあえず今回は決定!
そして看板は模造紙に全部手書きです!!
(手応えがあったら、ちゃんとしたのを作る事にしました。)
しかしそんな手書きの看板で人々の興味はひけるのでしょうか!?
実は買物で予想以上に出費が多く、そこまで予算が回らなかったのも正直なとこなのですが・・・
掃除を終え、車の中の配置を決め、かなりやっつけに近かったですけど看板を書きなぐり!
仕込み以外の全ての準備が終わったのが当日の午前3時。
準備&掃除&試作等でこの日までに3日間で7時間しか寝てなかった為、本番前には睡眠を取りたかったのですが、、、
デビュー戦の場合、沢山売りたいのでいつも試作してる量の数十倍の量の生地をこねる必要があります。
どれくらい仕込みに時間がかかるかも検討がつかなかったので、間に合わないよりかは先に終わらせて仮眠を取った方が良いと判断。
カフェインの塊みたいな薬とか飲めるものは全部飲みまくりで仕込みに突撃。
そして色々と手間取ってしまい、仕込みが終わったのが午前7時・・・
お祭りは11時からスタートなのですが9時には着いてないとまずいのでもう出ないと間に合いません!
車に全てを積み込み最終確認!!
完全に2徹。
しかしテンションだけは高い為に乗り越える自信もありました。
よしいくぞ!
果たして象の耳は売れるのでしょうか!?
人々の反応は!?
まずいとか言われはしないだろうか!?
捨てられはしないだろうか!?
そんな不安に蝕まれながらも、コーヒーをがばがば飲み眠い目をこすりながら・・・
私は移動販売車の荷台に「象の耳の生地」と「夢」を載せて決戦の地へと向かったのでありました!
つづく