第3章~3話:出資者さんを求めて
としまえん遊園地で営業できる時は「伝説の揚げフランク」を販売し、営業出来ない時は出資者さん探しをしてました。
幸い「伝説の揚げフランク」はプール帰りのお客様には飛ぶように売れたのですが、、、売上は完全に天候次第なとこもあり、夕立がどばっと来てしまうと売上は数千円のみ、しかし晴れたら10万円位の売上はあったので、月に何回か営業していればなんとかギリギリ生活する位は稼げておりました。
なので「伝説の揚げフランク」を販売しない日は本を読んだりネットで調べたりして出資者さん探しを・・・って、今みたいにクラウドファンディングなんて無いですからね。そう簡単に見つかりません。
ですが!当時の私のブログ(というかmixiとブログは同じ内容の文を貼っていたのですが)を読んだ友人が、良い人を紹介して下さる事に!!
早速、そのお方Yさんにお会いしてお話をして試食をしてもらいました。
話はとんとん拍子で進み、原宿か吉祥寺に出店するのが一番効果的だろうから、どちらかの駅近に小型の店舗を出しましょう!という事になり、出店費用の計算の為に物件探しが始まりました。
生地の改良しかやってこなかった自分には色々難しいので、基本はYさんからの指示に全て従う感じでした。
まずは物件探し。
吉祥寺の駅近の物件も想像を絶する金額でしたが、原宿の竹下通り沿いとかの出店初期費用はもう余りに額が多すぎて頭が破裂するかと思いました。
まあお金出すのは自分じゃないので・・・とか思いながらもYさんに報告。
工場そのものを作るのに幾ら必要か、
工場を何処に作るのか、
原宿で店舗を構えるには幾ら必要か、
原宿で1日に何枚位売れそうか、
その枚数を工場で作るにはバイトが何人が必要か、
原材料費は幾ら位かかるのか、
フランチャイズ展開はどうしていくのか、
・・・等~、今までとは次元の異なるレベルの事を計算したり考えなくてはならなくなりました。
今までは生地の改良の事しか考えてませんでしたからね。
しかし原宿で出店って実現すれば嬉しいですが、正直書くと動くお金の桁が大きすぎて雲を掴むような話になってしまい現実味が薄いというか検討がつかないというか想像するのが難しいというか・・・
本当にこんなに売れるのかな?
本当にこんなに毎日売上が出るのかな?
本当にこんな枚数を作る事は可能なのかな?
こんなに大人数を管理できるのかな?
そしてこんなに莫大なお金を出資してもらえるのかな?
新製法を開発したばかりで実際に販売した事は無い訳ですから、売上予測とかを作成しても作っている自分本人が「?」だらけでした。
新製法はぶっちゃけ実績ゼロです。
原宿にお店を出して工場は別の所に作る計画だったのですが、合計で数千万円は必要でした。
本当にこんな金額を出資してもらえるのかな!?
もう疑問だらけの毎日。
資料を作成してはYさんに送りその都度、指示を頂き、それに従いまた資料を作成し・・・
メール添付で送って返信を待ち、届いてはすぐに送信。数日後に返信が届き・・・
合間に「伝説の揚げフランク」を売り、合間に資料作成。
そして繰り返す度に送る資料の量も多くなり、その度に確認作業が多くなるせいか返信も数日後になり・・・
だんだんとYさんからの返信が2日後、4日後、一週間後、とだんだん遅くなっていきました。
さすがに返信メールが届くのが二週間後位になったあたりで不安になってきました。
前にも似たような事あったよな・・・
蘇る無職時代のトラウマ。
このYさんを紹介してくれた友人にやんわりとさぐりを入れてみると、現在Yさんは遠隔で気孔を使って人を治せる方のプロモーションにお忙しいとの事。
その方は、遠隔、つまりその方のお家から遠く離れた場所にいる患者さんに向かって「気」を飛ばし病気を治すらしいのですが・・・本当にそんな事が出来るのでしょうか!?
テレビにも特集されたらしいのですが・・・それが本当ならばとてつもなく凄い事ですが、その方に出資しプロモーションをされているという事は、その方がある程度は成功するまでその方の面倒を見るという事らしいのです。
なんか一生自分の番にならないような気がしてきたので、やんわりとお断りさせて頂きました。
「伝説の揚げフランク」を売り、そのYさんとやり取りをしているうちに年をまたぎ、Yさんに正式にお断りするまでに1年近くを要してしまいました。
次の出資者さんを見つけなければ・・・なんて動いているうちにまた夏がやってきました。
そう、夏休み期間は「伝説の揚げフランク」が馬鹿売れする期間です。
出資に頼らなくても、もしかしたら自力でお金を貯められるかもしれないのです!
なのでキッチンカーの派遣会社Mの社長さんにお願いをして、今年は豊島園プールの中に1台、プールの外にも1台、あと西武園遊園地のプールにも1台、計3台を用意するから場所を確保してもらえないかお願いしました。
昨年、バッチリと実績があったのでそれは容易に適いました。
しかしキッチンカーは1台しかありません。なのであとの2台は当時多くの方がやっていたmixiを使って探し、けっこう簡単にキッチンカーを貸して下さる方が見つかりました。
看板も三台分用意し、アルバイトも近所の飲み屋でバイトしてる人や昔の友達等に声をかけて揃える事が出来ました。
そして夏休みがやってきました。
結果やいかに!?
つづく