2022.4.27 第1章~10話:あなたしか見えない

そして数日後(02年6月上旬)~A製粉取締役Bさんのお友達のCさんが近いうちに、話によっては100万位なら融資(もしくは出資)してくれるかも!という嘘のような内容のお電話をBさんから頂けたのです!

で今、Cさんは仕事で中国に行っている為、帰国後(02年8月初旬帰国予定)に細かい話は試食を兼ねて三人で会いましょう、という事になりました。

つまりその時までにエレファント・イヤーを完成させ試食会で「うまい」「これなら成功しそうだね」→「よしお金を出そう!」という流れに持って行かなければならないという事です!

当時流行っていた「マネーの虎」をまさか自分がリアルでやる事になるとは!

そして、ポートランドで苦労して入手した生地をA製粉の研究室へ成分分析に出していた結果も出たとの事!その結果は・・・

Bさんが研究室に持って行った時には生地に腐敗が進んでおり分析不可能!!

・・・泡を吹いて倒れそうになりましたが、その超ド級なダメージの大きさをBさんに悟られない様に笑顔で対応。

これでは、キャッシングしてポートランドに飛んだ意味がまったくの「無」に。

しかし、本当に「無」にさせない為に!
あとで思い出話しとして笑い話にする為に!
その為には、移動販売で開業するしかない!


そうやって自分を奮い立たせました。
いや、そうするしかありませんでした。

なんせ彼女もいなければ、親にはこんな無謀な事など相談出来ません。
(当時、就職せずにバンドをやっていたので勘当状態でしたし)
信頼し相談出来る友達は当時はまだ近所にはおらず。。。
遠方の友達もメールで近況を聞いてはくれるのですが、ついつい無理して大丈夫だよ!なんて書いてしまうのでした。

孤独には慣れていますが、たまにきつい時もあるものです。

しかし、うまく行けばお金は用意出来るかもしれないのです!そしたら開業→大金持ち!

そうと決まったら自分がやるべき事はただ一つ!やはり自力で作り方を見つけるしかありません!

Cさんの帰国する8月の試食会までに作れるようにならないと、せっかくの話がパーになってしまいます。

こうしてバンドのLIVEとスタジオ練習と週一のバーテンのバイトをする時以外は、ずっと家にこもって生地をこね回す日々が始まりました。ちょっとした引きこもりです。

生きるにはお金がかかります。

家賃、光熱費、食費、そして生地の研究に必要な材料費・・・バンド活動にも多少のお金は必要です。
とても週一のバイトでは、まかなえません。キャッシングするしか当時は策が思いつきませんでした。
(今思えば、宅配業者のバイトか何かを毎日3〜4時間だけでもやっておけば後で苦しむ事もなかったのにな〜って思います。)

しかし、開業するには!一刻も早く生地の作り方を見つけ出し、8月の試食会で「これは美味しい!」と思っていただけねば!

1分1秒を惜しんで、試作・試食・試作・試食・・・・を延々と繰り返しました。

しかし、外の空気を吸いたくなったり他の事がしたくなる時もたまにはあるもので、そんな時は〜
・移動販売車をどうやって入手するか?
・営業場所はどうするか?
・どんな感じの営業をするか?

考えるべき事、勉強しなくてはならない事等を思いついたらとにかくリストアップしてメモ!
そしてゴールまでに必要な事&知識を思いついたらリストアップ!最短距離でゴールまでの進み方を研究!
ネットで検索&なるべく本屋で立ち読み、もしくは図書館で色んな本を借りて読む!と片っ端から不安を埋める為に知識武装を始めました。

学校の勉強は嫌いでしたが、自分の人生が懸かっているとなると不思議なものでビジネス書の内容が頭にするすると入るのでした。まるで人生という名のゲームの攻略本を読んでいるような。

そして、どんな営業をするかはイメージが出来上がりつつあったので問題は、
・いかにして移動販売車を手にいれるか?
・どこで営業をするか?

の2つに行き着きました。

優先順位でいけば移動販売車の用意が先になります。

ネットで調べると中古はほとんど出回っておらず新車だと自分が欲しいのは・・・・350万円。

うん無理。

予算は100万円なのだから。

Cさんと会う時までに金額的な問題を片付けないとまずいではないか!!

ここから怒涛の生地試作と、移動販売車を安く仕入れる為の孤独な戦いが始まったのでした。

つづく

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