2022.6.26 第1章~25話:いざ初陣!

とうとうこの日が来ました。2004年4月25日!!

一度は諦めかけた象の耳移動販売車でのOPEN!
単発な営業ではありますが・・・とうとう!開業日を迎える事が出来ました!

準備と仕込みを追え2徹でそのまま出発!
予定より早く着けたので車を道路のはじに止め1時間程仮眠を取ろうとしたのですが、興奮のせいなのか強烈な眠気さましの薬のせいなのかまったく眠れず・・・

色々考えているうちに受付開始の9時になり、出店料を支払い車を指定された位置に置きいよいよ営業準備開始!

頭で思い描いたように手作り看板を並べ、お客さんの見知らぬモノに対する恐怖心を取り除く為に明確な値段表示と現物をディスプレイ!

ちなみにこの日に用意したのは現地と同じ物ではなく改良バージョンの象の耳。
生地に紅茶の葉の粉末を練り込み紅茶風味の生地にしました。

味というかトッピングは、
・シナモンシュガー
・(甘くない)ピーナッツバター
・苺ジャム
・チョコ
を選んでもらいつけて提供。

大きさも、小300円、大400円としました。

アメリカのエレファントイヤーは完璧なお菓子系ですが、当時、自分の象の耳はいずれご飯系にも出来るようにしたいと思ってました。
(もちろん試作は行ってました。カレーをつけたりチーズ乗せてみたりソーセージを挟んだり・・・
しかし、カレーパンがあり、ピザパンがあり、ホットドッグがある以上オリジナリティーに欠ける気がしていたので、この時はまだ研究中でした)

ちなみにこれがその時の写真です。
象の耳 移動販売車初号機

そして11時のお祭り開始時間が来ました!

とうとう、
とうとう!
とうとう!!
開業です!!!

いらしてくださったお客様全員に出来る事ならば、アメリカ一人旅から開業までの今までの全過程を長々と解説した後に、じっくりと食べてもらいたかったのですがそうもいかず(当たり前です)

ひたすら今まで様々なバイトで培ってきた自分なりの営業スタイルで(要は接客態度を無理に作らず素で、明るく楽しく真心込めて!)かわいいかわいい象の耳を売り始めました。

常に頭の片隅に睡魔が陣取っていましたが、気合いと興奮で押しやり・・・というか買ってくれる人がいるかどうか不安だったにも関わらず、お店を開けたらすぐにお客さんが覗きに来たので〜どんなパンなのか説明すると〜
「じゃあ、試しに一つ頂戴!」と初注文を頂けまして!


そしてお客様の目の前で生地を伸ばしていると、それを見かけた他の方が私も一つ頂戴〜みたいにご注文くださり、それがまた他のお客様を呼び込み・・・

お客様と楽しくお話しながら夢中で象の耳を売っているうちに、あっという間にお祭り終了の17時になってしまいました!

日本初!不思議な揚げパン、象の耳!!
5個だけ売れ残ってしまいましたがほぼ完売!まぁ良しとしようではないですか!
しかも、午前中に買ってくださった方が、夕方に「美味しかったから!」と再び来てくれたのですがこれは涙が出る位に本当に嬉しかったです。
(のちに・・・この日に2回買いに来てくださった女性のお客様は、自分がこのお祭りに出店する度に毎回毎回買いに来てくださってました。感謝しかありません。)

5個売れ残ったとはいえ、売上は「今までの自分では絶対に1日では稼げないような金額」のお金がレジ箱には入っていました!

そして片付けをして撤収です。

さすがに足も意識もフラフラでした。
3日で約7時間、しかも一昨日の朝から一睡もしていないのにこれから渋滞の道を1時間以上運転しないといけないのですが、なんとしてでも居眠り運転をする事なく無事に家に帰らなければいけません!

気が抜けたせいか、恐ろしい程の睡魔が襲ってきましたが!
こいつらを撃退するには・・・テンションを上げまくって歌うしかない!!
周りの車に乗ってる人の視線なんかもうこの際どうでもよく!好きなバンドの曲をガンガン鳴らしフルパワーで歌いながらなんとか帰路についたのでありました。(Metallicaを絶唱してました)

こうしてようやく私は無事に営業初日を終える事が出来ました・・・


思い起こせば・・・・ここまで来るのに本当に色々ありました。
ここまで来る事が出来たのは沢山の方々の助言とアドバイスがあったからこそです!

この場を借りてお礼を言わせてください!

みなさん、本当にありがとうございました!
そしてこれからもまだまだよろしくお願いします!!

しかし、営業しながら沢山の欠点を見つけ改良の余地がある事にも気づけました!
もっと美味しい商品を作り、珍しい!だけではなく!
美味しいから!という理由で何度も何度も買いに来てもらえるようなそんな商品にする為に!

いつか従業員を雇える社長になる為に!
いつか本物の社長になる為に!

私はようやくスタートラインにつく事が出来たのかもしれません。

・・・それと八王子という街を灰にしなくて済んだので良かったです。

第一章<完>

つづく

あげ焼きパン象の耳へのお問い合わせはこちら
上に戻る