会社というか工場と店舗をここに構えたい!と思えた物件の持ち主をようやく見つける事が出来たので、菓子折りを持ってスーツを着て大家さんのおうちへ行きました。
絶対に承諾を得て!
出来れば少し安めに!
あの物件を手にれて!
お宝をゲットするぞ!
ピンポーン
しばらくすると・・・は〜い・・・
と60代位の暗い感じの男性が怪訝そうな表情で、ぬぼ〜っとゆっくりドアを開けて現れました・・・
急いで突然の訪問の非礼を詫びて事情を説明したのですが・・・
「あ~、、、あの物件ね・・・
・・・自分じゃよくわからないから兄に聞いて下さい・・・」
と言ってすぐに玄関の扉を閉めようとするので、
おいおいおいおいちょっと待て
はい、そうですかと当然ここで引き下がる訳にもいかず!
扉に足を突っ込み間髪おかず、そのお兄さんの住所を聞き出しました!
今と違ってスマホはまだこの時代には無いので、
持参した地図で調べると5分位で行けそうな距離。
直行だ!
5分くらい歩くと・・・まさかあそこじゃないよな・・・でもあそこっぽい・・・な場所には遠くからもわかる位に大きな竹藪がその場所にはありました。
夏だったらあっという間に物凄い数の蚊に刺されてしまいそうな位の立派な竹藪です。
「こん中に家があるのかな・・・」と茂みとか竹の隙間をかき分けて、かろうじて道と思われる道を奥へ進むと・・・
木造平屋建てのお化け屋敷のような、、、、まるで戦前に立てられてタイムスリップしてきたような家が奥にある事にはありましたが、明かりもついておらずとても人が住んでいるような雰囲気も無く、庭にはなぜか斧が置いてありまして。
形容するならば、まるで猟奇殺人鬼の隠れ家。
暗いし怖いし・・・まじか~・・・と思いながら玄関に近づきまして、探すと色あせた旧式のピンポンのような物があったので、出来る事なら帰りたい。と思ったのですが逃げる訳にもいかないので・・・これ音出るのかな・・・?とか思いながらも勇気を出して恐る恐る押してみました。
ビー!!
という場違いな物凄い音が鳴り響くと「・・・・・・はい・・・」という暗い声が奥から聞こえてきまして・・・
正直言うと本当にもう逃げ出したかったのですが、これで逃げたら本物のピンポン泥棒になってしまうので勇気を出して玄関で待ちました。
しばらくすると引き戸の扉がゆっくりと開き、再び暗い感じの男性がぬぼ〜っと現れました。
すぐに突然訪れた非礼を詫び事情を説明すると・・・
「あ・・・あれか・・・自分じゃよくわからないから兄に聞いて下さい・・・」
デ・デジャブ!?
「あの~さっきも弟さんに同じ事を言われたんですけど・・・」
「うち兄弟3人いるから。」と言われ扉を閉めようとするので、
急いで長兄の住所を聞き出しお礼を述べその足で長兄のおうちへ向かいました。
地図で調べるとまた歩いて5分位の距離。
よし直行だ!
地図的にはこの道を曲がると正面にあるはず!
やっと本物の大家さんにご対面出来る!
これでお宝ゲットだぜ!
いや〜きっつい2人だったな〜
これカメラで撮影してたら面白い映像になったと思うんだけどな〜
などと思いながら、やっとこれで終わりだ!と胸を躍らせながら道を進み、
あの角を曲がれば大家さんのおうちが正面に現れる!
と道を突き進み曲がり角に到着!
あとはこの角を曲がったらゴールだ!
と、その道を曲がると正面には、
よくテレビで見るような・・・庭の隙間という隙間が2m位の高さのゴミのような物にみっしりと埋め尽くされた・・・それはもう見事に立派すぎるゴミ屋敷が待ち構えておりました(涙)
つづく