2022.6.25 第1章~17話:カウント・ダウン

さつま揚げ屋の店主さんとの出会いから、ここから予想外の怒涛の急展開が始まったのです!

人生を変えうるのは人との出会いなのではないか・・・?
と常日頃から思っているので、これも何かの縁だし・・・

とりあえず揚げ物の移動販売をする上で大変な事や、移動販売業をやる上での心得みたいな事でも聞いてみよ~ と思い翌日・・・

名刺をくださったさつま揚げ屋さんであり移動販売車の持ち主のKさんに、これも何かの縁!にする為に!思い切ってお礼を兼ねてメールしてみました。

翌日にシンプルな返事が来ました。

『青山で近いうちにイタ飯屋を始めます。なので あの車、使わなくなります。』

な・・なに!?

車を使わない?って事は・・・買えって事か!?(はは~ん、だから接触してきたのか・・・?でも中古なら安く手に入れるチャンス・・・だが今はお金無いしな・・・)

相手の真意がまったくわからないので直接お話をうかがおうと思い会ってくださるようにお願いをしてみました。・・・で、何回かのメールのやりとりの後・・・

2004年2月。
そのKさんが新しくOPENさせた青山の新しいお店へ会いに行きました。
移動販売に関する質問事項を紙にまとめ、お会いするなり質問の嵐。

全てにさらりとお答えくださり疑問がつぎつぎと晴れて行き・・・そして、最後にKさんはこう言ったのです!

「とりあえず車を貸してあげるから、試しに一回やってみてから先の事考えたら?」

「お金はあとでいいしさ、どうせ駐車場で車を寝かせておくのも勿体無いしさ、イベント紹介するから試しにやってみなよ。」

「車買って失敗したら大変でしょ?」

と、その方はさらりと言っちゃったのです。

「た・・た・・た・・確かにそうなんですが・・・」

あまりにおいしい話に喜ぶべきか疑うべきなのか悩みました・・・

はたして!!

この人は今までの苦労を知る神の使いなのか?
それともまだまだ甘い!
と更なる地獄を見せる為に現れた悪魔の使いなのか?

しかし、お金はどうせ無いし罠であってもこれ以上無くなる物もないから、試しに車を借りて営業してみよう!その場でそう決めました。

で、数日後~
『4/25(日)東京都・八王子市みずき通り商店街で小さなお祭りがあるのだけど、出店料は二千円だけだから出てみませんか?』

とのメールがKさんから来ました。
この流れには乗るべきだ!直感でそう思いました。
え~い、やってしまえ!

なんにも準備してませんが、そのお祭りに出店する事を勢いで決めてしまいました。

そして、そのお祭りの日まで残り約一ヶ月半!

・まず象の耳が当たった事を想定しパクられない為に何かの権利を取得せねば!
・メニューってか味つけの決定!
・友人知人に試食してもらい感想を聞こう
・車の装飾も必要だろうな
・看板とかも作らなきゃ
・材料の仕入れはどうしよう
・たくさん生地をこねる必要があるから今までの道具ではダメだから書い足さなきゃ
・値段もちゃんと決めよう
・メニュー表も必要だよな
そして起業を想定すると
・名刺ってやっぱり必要なんだろな・・・
これに加えて、
・作詞作曲アレンジ
・バンド活動の方針とか作戦の練り込み〜等、他にもたくさん!!

やんなきゃいけない事多すぎ!!当時やってたバンドもライブで忙しかったのですが、どっちも両立させなければ!と誓っていました。

そもそもはこれからもバンド活動を続ける為に、自由な時間を作る為の移動販売業の起業な訳ですからメインはあくまでもバンド活動です。
象の耳はバンド活動の為の生活費を稼ぐ為の手段。なのでバンドでメジャーデビューして生活に困らなくなったら象の耳は辞めるつもりでした。

とは言え・・・
未知の世界に対する不安。
全てを独りでやらないといけない不安。
誰にも相談できない不安。(日本に無い食べ物=誰もこの食べ物を知らない→先例や見本が無い=参考に出来るものが無い)
バンドのメンバーに変な感情を抱かせないように出来るかの不安。
そもそもバンドはこれからどうなるの!?的な不安。
っていうか自分の将来への不安。(周りは結婚して子供も作ってるのに)
親への申し訳なさ。などなど。

しかもあれもやんなきゃこれもやんなきゃと考えていると頭が破裂しそうになるので、
整理する為に全てを箇条書きにして「頭の中を全て書き出す」作業をしないと、
やらなきゃいけない事が多すぎて、何が何だかもうわからない!

進まなきゃ!

しかし頭を絞って絞って全部書き出してみると、それをクリアする為に派生してどんどんやるべき事が増え、最終的に自分の「やるべきリスト」は物凄い量になったものの・・・
(当時、to doリストなんて言葉は知りませんでした)
あれ!?なんかすっきり!
だってこれを全部片付ければゴールなんだもん!

そう考えるとう〜んう〜んどうしよ〜とじたばたしていた時間が無駄だったと気づきまして。
これ以降、私は「ただよくわからずなんとなく悩むのは時間の無駄」という結論に辿り着きまして。
とにかく壁にぶち当たったらとにかく頭の中を全部書き出す!

悩んでいる時って案外、「何に悩んでいるのか実は自分でもよくわかっていない」事もあるので、
なのでとにかく書き出す!
全て書き出してみると以外と少なかったりするもんで。

そんな感じでやるべき事を箇条書きして、ひたすらそれらを片付ける日々が始まりつつも・・・

ってかこれ間に合うの?ってくらいに片付けなきゃいけない事が多すぎて泡を吹いて倒れられたらどれだけ楽だったでしょう。
いやいやいや、間に合わせないといけません!

でも、、本当に間に合わせられるの?
ってかそれ以前に、事業なんて本当に自分がやれるの!?


いざこうなってみると、とんでもない不安に蝕まれて眠れぬ夜を過ごす自分がいました・・・

つづく

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